こんにちは、マッハ(@flyingtwins)です。
外資系エアラインのパイロットして働いています。

どんな人がパイロットになれるの?
このような疑問、不安を持つ方へ。
エアラインパイロットになるにはいくつかコースがあります。
メリット、デメリットも含めて紹介していきます。
目次
パイロットになるには?
エアラインパイロットになるには大きく分けて以下の3つのコースがあります。
どんな方法がある?
- 航空大学校に入学し、免許を取得
- 航空会社の自社養成パイロットに入社する
- 私立大学のパイロット養成コースで免許を取得
順番に見ていきましょう。
航空大学校
日本で唯一の公立のパイロット養成を行っている学校です。
2022年度の出願資格としては、平成9年4月2日から平成14年4月1日生まれ、身長158cm以上という条件がありますが年々緩和されてきています。
また大学2年修了者で62単位取得していること。短大、高専卒業などが条件になります。
メリット
- 公立なので私立学校と比べると費用が格段に安い
- すべての訓練を日本で受けることができる
デメリット
- 一般大学からだと2年修了している必要があり、中退すると学士が取得できない
航空会社の自社養成パイロット
航空会社が自社の訓練プログラムでパイロットを養成します。
僕も一般大学から某航空会社の自社養成パイロットで入社しました。
同期の中には、国内のメーカー勤務だった人や、教員から転職してきた人もいます。
卒後2年は新卒扱いで募集しているので、転職したい人も要チェックですね。
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2021年現在で自社養成パイロットを募集している会社は、以下の4社になります。
- ANA(全日本空輸)
- JAL(日本航空)
- ANA WINGS
- ジェイ・エア
メリット
- 会社員として給与を受けながら、パイロットになるための訓練を受けることができる
- 特別な専門知識がなくても、誰でも受けることができる
デメリット
- 倍率がかなり高い(100倍前後)
- 採用までの期間が長い
- 地上研修期間が長いとパイロットになるまで4年以上かかる
私立大学のパイロット養成コース
最近ではパイロット養成コースが設けられている大学が増えてきています。
現在パイロット養成を行っている私立大学は以下の通りです。
- 東海大学
- 法政大学
- 桜美林大学
- 崇城大学
- 第一工科大学
- 千葉科学大学
- 工学院大学
メリット
- 最短でエアラインパイロットになることができる
- パイロットに必要な免許、学士の両方を取得することができる
デメリット
- 費用が高い(4年総額2000万円前後)
私立大学の学費についての詳細はこちらの記事
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パイロットになれる私立大学の学費比較まとめ|学費が一番安いのはどこ?
続きを見る
どんな人がパイロットになれる?
よく「パイロットになるために必要なことは何ですか?」と質問を受けます。
私が考える、パイロットに必要な資質は以下の4点だと思います。
必要な資質
- 健康な人
- 継続力のある人
- 想像力のある人
- 素直な人
健康な人
これは一般的にも広く認知されているかと思います。
具体的にはパイロットは1年に1回、航空身体検査を受け、航空身体検査証明を受けなければなりません。不適合になってしまうと乗務することができなくなってしまうので、日々の体調管理には気をつかっています。
僕は健康維持のために、普段は特別なことはしていませんが、身体検査が近づくと
- 5kmのジョギング
- ジャンクフードは食べない
- 朝昼晩決まった時間に食事を摂る
- お酢を飲む
といったことをしています。
特にこれをやれば良いといった根拠はないのですが、自分なりの健康維持の方法はみんな持っています。
継続力のある人
無事に免許を取得して、航空会社に就職して終わりではありません。
既存のたくさんのマニュアル、航空法を覚えていくことはもちろん、頻繁に改定が行われるので、そこにアンテナを張り、常に知識を最新のものにしておかなければなりません。
パイロットに限ったことではありませんが、日々コツコツと取り組み続けられる継続力が必要です。
入社前に先輩から「パイロットは一生勉強だよ」と言われたことがありますが、10年以上経った今でもその言葉は正しかったと言えます。
想像力のある人
日々のフライトの中で、瞬時に判断をしなければならないことは多々あります。よく判断力が必要と言われますが、私は判断力よりも想像力の方が重要だと考えています。
今の状況だと今後どのように変わってくるか、そうなったらどう対処するか、といった、先を見据える想像力があれば、不測の事態が起きても冷静に対処できると思います。
日常生活の中でも、これは実践できることなので頭の片隅に置いておいてもらえればと思います。
素直な人
素直さとは、他人の意見をまずは聞き入れることです。
自分が絶対に正しいという自信を持つことも大切ですが、すべて自己流でいこうとすると必ず、どこかで失敗します。
何かに躓いたときは特に、他人の意見に耳を傾け、1度立ち止まれるかが大切だと思います
パイロットになるための注意点
過去に飛行適正で不合格の人は自社養成にエントリーできない
上述したように、自社養成パイロットは自己負担もなしでパイロットに必要なライセンスを取ることができるため、必然的に競争率は高くなります。
中には3、4年連続で受験する人もいるとか。
会社としても、シミュレーターを稼働させるのにも費用がかかりますので、何度も同じ人に受けさせるわけにはいきません。
各航空会社の自社養成で過去に飛行適正で不合格になった人は受けることができないので、注意が必要です。
矯正視力の条件がある
各募集要項を確認してみると、裸眼視力の条件はありません。
細かい数値は各大学、航空会社によって異なりますが、基本的には眼鏡やコンタクトレンズを着用した矯正視力が1.0以上が必要になります。
レンズの屈折度も条件は異なりますが、
ANA ±8.0ジオプトリ―内
JAL、ジェイエア -6.0~+2.0ジオプトリー内
ANA WINGS ±6.0ジオプトリ―内
が条件です。
視力が気になる方はこちらの記事。
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参考パイロットに必要な視力は?コンタクトレンズを着けてもOK
続きを見る
オルソケラソロジーを受けている人は注意
オルソケラソロジーとは、手術をせずに、特殊なレンズを使って視力を矯正する方法ですが、これは各大学、航空会社で認めていないところが多く、使用する場合は注意が必要です。
中には6か月以内に受けていなければOKというところもあるので、予め確認しておくことをおすすめします。
ちなみにレーシック手術は受けていても、募集要項上は大丈夫です。これについては別記事で詳しく解説します。
まとめ
パイロットになる方法、必要条件などを紹介してきました。
今後パイロットが不足してくることは確実ですので、需要は高まり、門戸も広がってくると思います。
何より空を飛ぶのは本当に楽しい仕事です。
航空会社の自社養成は受験料もかからないので、まずはチャレンジしてみることをお勧めします。