こんにちは。マッハです。
外資系エアラインでパイロットをしています。
この記事ではパイロットの年収について解説していきます。
目次
パイロットの年収はどれぐらい?
一般的にエアラインパイロットの年収は高いと言われています。
「年収高いけど、パイロットは特殊な人しかなれないんでしょ」と言われたことがありますが、全然そんなことはありません。飛行機と全く関係のない、学部から入社している人もいれば、メーカーから転職している人もいます。
パイロットになるための具体的な方法はこちらの記事で解説しています。
社会人で転職を考えている人も選択肢の一つとして検討するのも良いと思います。
パイロットの給与は?
パイロットの給与は、航空会社によって異なりますが、どの航空会社も「基本給+時間給」になっているところが多いです。
大手の航空会社では、20代の副操縦士1年目で1,000万円を超えてきますが、LCCでは600万円程度になります。
機長に昇格すると、大手航空会社では2,000万円前後、LCCでは1,300万円前後に上がります。
しかしながら、先日「ANAパイロットの給与30%カット」のニュースが出ていたように、現在はコロナ禍で、乗務時間も減っており、ANAに限らずどの航空会社のパイロットの収入も減っているのが現状です。
ボーナスはどれぐらい?
パイロットのボーナスについては、正直なところ、そこまで高くありません。
理由は、基本給がそこまで高くないからです。
ボーナスは「基本給×○か月」分が基本になりますので、時間給の割合が多いパイロットにとっては、普段の給与とそこまで変わりはないです。
以前に先輩機長から「家買ったりするときに、ボーナス払いをあてにしちゃ絶対にダメだぞ」と言われたことをよく覚えています。
国際線と国内線で給与は違うのか?
結論から言うと、YESです。しかしながらそこまで大きな差ではありません。
先ほども書いた通り、パイロットの給与は「基本給+時間給」の合計です。
国際線パイロットは、月のフライト数は少ないものの、合計の乗務時間は国内線に比べて、長くなりやすいです。
羽田-ロンドンを1往復するだけで、16時間ぐらい乗務しますからね。
国内線だと、1往復3~5時間ですので、数をこなさないと乗務時間は増えません。
また、パイロットやCAはステイ先での食事や身の回りの物を買うためのパーディアムと呼ばれるお金が支給されます。
パーディアムは海外ステイの方が高い傾向にあるので、この面でも給与は国際線メインで乗務しているパイロットの方が高いと言えます。
国内線と国際線パイロットのスケジュールの違いはこちらの記事を参考にどうぞ。
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参考パイロットの休みは?勤務時間と休日
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訓練中の給料は?
自社養成パイロットは入社後、1年~3年ほどの地上研修を経て、訓練に投入されますが、実際に路線に出るまでは、基本給のみです。
航空大学校や私立大学でライセンスを取得して入社しても、同様です。
ですので、自社養成パイロットで入社してから、路線に出るまでは約4年はかかるので、副操縦士1年目の給与をもらえるまでにはそれなりに時間がかかります。
エアラインパイロットになるまでの訓練はこちらの記事で詳しく解説しています。
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参考【パイロットになるまで】具体的な訓練内容を紹介
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海外の航空会社の給料は?
国内とは違い、海外の航空会社の給料は基本的に時間給になります。
また、大型機種ほど時間給は高い傾向にあります。
海外の航空会社では、1か月の乗務時間と地上勤務の時間が大方決められているので、小型機種の時間給では、高い水準にあるとはいえません。ただ収入は減っても、海外をベースに仕事ができることは僕にとってはとても魅力的でした。
パイロットは乗務できる機種が1つと決まっています。国内の航空会社では、いきなり大型機種(ボーイング777やエアバス330、350)に配属されることもありますが、海外の航空会社では基本的には、小さい機種からスタートし、キャリアを経て大型機種に移行していきます。
僕も国内では初期配属が大型機種だったのですが、海外で訓練中に外国人教官から「日本に戻ったら何に乗るんだ?」と聞かれ「B7だよ」と答えると、「冗談だろ?」とびっくりされました。
パイロットの年収が高水準な理由
副操縦士の1年目の年収は600万円~1,000万円と一般的なサラリーマンの給与と比べると、高い水準にありますが、理由としては大きく3つあるかと思います。
- 多くの命を預かっている責任
- 水準の高い健康状態を維持しないといけない
- パイロットが不足してきている
多くの命を預かっている責任
パイロットはいわずもがな、飛行機を操縦して、お客さんを出発地から目的地へと届けることが仕事です。
小型機種であれば約100人、大型機種だと400人近くを一度に運ぶことになります。
自分が航空機の事故にあう確率は宝くじに当たるより低いと言われていますが、それは整備士がきっちりと点検をし、パイロットが着陸して駐機場に到着するまで、責任をもって仕事を全うしているからです。
自分の操作ミス一つで、大きな事故につながってしまう危険性があることを理解しているからこそ、その責任は重いのです。
水準の高い健康状態を維持しないといけない
パイロットは年に1回航空身体検査に合格しなければなりません。
不合格になると乗務ができなくなってしまいます。
そのため、人一倍健康には気をつかう必要があります。
パイロットが不足してきている
どの業界でも、人手不足のところは高待遇のところが多いです。
パイロットも同様で、“2030年問題“と呼ばれる、1980年代に入社した機長パイロットの大量退職に向けて、各航空会社がパイロットの確保につとめています。
海外の航空会社でも、パイロット不足が進んでおり、機長を高待遇で招こうとしているところも少なくありません。
まとめ
パイロットの年収は大手航空会社の副操縦士1年目で、1,000万円以上、機長になると2,000万円以上が期待できます。
高収入の分、責任の重い仕事であり、厳しい自己管理が求められます。
パイロットの需要は今後ますます増加することは確実ですので、学生だけでなく社会人の人もぜひ、興味のある人は目指してみるのはいかがでしょうか。