こんにちは。マッハです。
某航空会社の自社養成で入社し、現在は外資系エアラインでパイロットをしています。
この記事でわかること
- 自社養成パイロットの倍率
- 自社養成パイロットの採用過程
- どんな人が自社養成パイロットに採用されるのか
目次
自社養成パイロットとは
自社養成パイロットは、航空会社に入社し、社内の訓練を受けることで、エアラインパイロットになることです。
自費でエアラインパイロットに必要なライセンスを取得しようとすると、ざっくり2000万円以上はかかります。
費用がかからず、しかも給料までもらいながらパイロットになることができるので、必然的に競争率はとてつもなく高くなります。
自社養成パイロットを採用している会社は?
自社養成パイロットを採用している会社はANA,JAL以外にも実はあります。現時点で採用している会社は以下の通りです。
- ANA(全日本空輸)
- JAL(日本航空)
- ANA WINGS
- ジェイ・エア
peachやスカイマークも以前は採用していましたが、コロナ禍の影響で2022年度は採用を見送りになっています。
自社養成パイロットの倍率は?
採用人数は航空会社によりますが、ANAや JALでは60人前後となっているようです。
条件が非常に良いので、就活生にも人気は高く、倍率は100倍を超えると言われています。
僕が入社した当時は採用人数が100人ぐらいいましたが倍率はとても高かったです。
条件が良いのに加え、卒業後2年は新卒扱いで、応募することができる点からも人気が高いと言えるかもしれません。
自社養成パイロットの採用過程は?
各航空会社が採用ステップを公示していますが、だいたい5次試験前後まで突破しなければなりません。
項目としては、
エントリーシート
SPI
集団面接
個人面接
英会話面接
グループディスカッション
飛行適性検査
心理適性検査
航空身体検査
と、他の会社では受けないような項目もあります。
エントリーシート SPI
エントリーシートやSPIを通過した人が面接へと進むのは他と変わりありません。
特にSPIは他の会社にも使うことができるので、十分に対策をして臨みましょう。ここで落ちてしまうのはもったいないです。
対策にはこの2冊を何周かまわすのがおすすめです。
面接
面接では集団面接、個人面接がありますが、基本的には志望動機、学生時代に力を入れたこと、最近興味のあることなど、一般的な質問事項が多いようです。特に飛行機の専門的な知識などは全く必要ありません。
とはいえ、航空会社の入社面接ですから、企業研究はしっかりしておきましょう。
英会話面接についても同様です。英会話面接については、こちらの記事を参考にしてみてください。
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パイロットになるのに必要な英語力は?TOEICや英検は必要?
続きを見る
飛行適性検査
飛行適性検査は、パイロットとして必要なスキルを持っているかどうかを見きわめる試験です。
では、パイロットに必要なスキルとは何でしょうか。
ここで重要視されているのはマルチタスク能力です。
同時に複数のことを行うことができるかどうかですね。
飛行機を操縦するうえで、視野を広く持ち、同時に複数のことを処理しなければならない場面が少なからずあります。
これは家で練習することもできます。
例えば、ゲームをしながら横で計算問題を出してもらったり、数や形の書いたカードを出してもらい、「◯番目のカードの形は何だったか」などです。
いくつかのことに注意を分散し、1つのことに集中しすぎないことが大切です。
航空身体検査
正直なところ、自社養成パイロットの身体検査はかなり厳しいです。
自社養成パイロットの採用過程の中で、最難関と言っても過言ではありません。
おそらく基準は第1種航空身体検査と同様かそれより厳しい基準を設けられてると思われます。
各航空会社の募集要項を見ても、視力は第1種航空身体検査の基準よりも厳しいところもあります。
自分の努力ではどうにもできないところは仕方がないですが、採用試験までにできることはたくさんあります。睡眠や食事の見直しをするだけでも結果は変わってくるかもしれません。
僕自身も、血圧が高めだったので、3か月間は食事を制限し、また黒酢を毎日飲み続けました。
血圧自体は大きな変化はありませんでしたが、血液検査や尿検査もあるので、他の検査項目で改善された可能性があったと信じています。
こちらの記事も参考にどうぞ。
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パイロットに必要な視力は?コンタクトレンズを着けてもOK
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どんな人が自社養成パイロットに採用されるのか
これまで長々と、自社養成パイロットの解説、採用過程について書いてきました。
では、どんな人が採用されるのかが気になりますよね。
採用段階で求められる能力や人柄はまとめると以下の通りだと思います。
- マルチタスク能力
- 仲間を見捨てず、知識や長所を共有することができる
- コミュニケーション能力
マルチタスク能力は上でも書いた通りです。
自分の知識や長所を共有することができることができる人はあまり多くないと思います。
人間どうしても、自分が苦労して得た知識やモノはなかなか人には簡単に教えたくないし、自分のものだけにしておきたいことが多いと思ます。
しかしながら、訓練を進めていく中で、自分1人の力では乗り切ることはできません。
自分の知識を仲間に共有し、助け合うことで進んでいくことができるのです。
採用段階でそのマインドを持っていることは非常に重要だと思いますので、少しでも意識してもらえればと思います。
コミュニケーション能力も大切ですね。
これはパイロットに限らず、どの職業にも必要なことだと思いますが、物事をシンプルにわかりやく伝えることができるか、また聞いたことから、一歩進んで考えて発言することができる能力だと思います。
決められた時間の中で必要なコミュニケーションを取らないといけないので、全く喋らない人もダメですし、話が長い人もダメです。
まとめ
ここまで、自社養成パイロットの試験の内容や必要なスキルについて解説してきました。
小手先のテクニックは正直通用しません。
パイロットの世界自体は競争社会ではありませんので、会社に入ってから助け合うことができる人材を会社は求めていると思います。
自分の長所に当てはまる箇所を見つけて、面接に盛り込んでいくと良いのではないでしょうか。
その他質問などありましたら、問い合わせフォームからお願いします。
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